Skydiving Photographer

スカイダイビングフォトグラファー

ダイビング写真
スカイダイビングフォトグラファーとはスカイダイビングしながら撮影をする人=カメラマンの事を言います。
スカイダイビングをしながら撮影をする事をカメラジャンプといいます。
このホームページにあるスカイダイビング中の画像は、スカイダイビングフォトグラファーがスカイダイビングをしながら撮影したものです。
カメラジャンプを一言で言うと撮影をしながらスカイダイビングすることになります。撮影をしながらスカイダイビングをすると言っても、カメラを手に持ってスカイダイビングするわけではありません。カメラジャンプの殆どは、カメラをヘルメットにしっかり固定し、そのヘルメットを被り撮影をしながらスカイダイビングを行います。
動画撮影
動画撮影の場合、カメラはDVカメラを使うことが多いです。最近になりハイビジョンカメラも使われるようになりました。技術の進歩でビデオカメラは小型軽量でしかも安くなり、多くのスカイダイバーが撮影を行いながらスカイダイビングを行っています。何人かでスカイダイビングを行う時に、お互いに撮り合い、後でフリーフォールの姿勢を研究したり、みんなで鑑賞し合ったりもします。
写真撮影
スカイダイビング中に写真撮影を行う事もあります。写真撮影は以前はフィルムを使用した一眼レフカメラを使用していましたが、現在、そのほとんどが一眼レフのデジタルカメラになっています。スカイダイビング中に写真撮影を行う場合のカメラのシャッターは、カメラに専用のリモートケーブルを接続し、その先にスイッチを付け、そのスイッチを操作して行います。 スイッチは
  • ケーブルを手まで伸ばして指でシャッターを切るタイプ、
  • スイッチを口に咥えて舌でシャッターを切るタイプ、
  • スイッチを口に咥えて噛んでシャッターを切るタイプ。
  • スイッチを口に咥えて管に息を吹きかけてシャッターを切るタイプ
などいろいろあり、使う人の好みによって、どのタイプを使うかが決まります。
機材の変遷
スカイダイビングのカメラの機材も、技術の進歩により大きく変化します。ビデオカメラは、DVカメラからハイビジョンカメラに移行しつつあります。記憶媒体もDVテープからSDやメモリースティックなどへ変わってきています。 ただし、ハードディスクはスカイダイビングでは、使用することはありません。ハードディスクはその原理上、低い気圧(3000m以上)では動作しないのです。写真撮影は現在はデジタル一眼レフカメラが使用されてますが、今後はもっと小型軽量のもが使用されるかもしれません。

タンデムスカイダイビングの撮影

カメラマンによる撮影
タンデム(二人乗り・体験ダイビング)の撮影は
  • スカイダイビングフォトグラファー(エアーカメラマン)による撮影。
  • タンデムマスタとは別のスカイダイバーによる撮影と。
  • タンデムマスタの手に固定されたカメラによる撮影。
などがあります。
タンデムの組みと一緒にスカイダイビングする人による撮影
タンデムスカイダイビングを撮影する為に、スカイダイバーが1名、カメラマンとして、そのタンデムと一緒に飛び降り、フリーフォールを撮影します。安全の為1回のスカイダイビングで1組のタンデムしか撮影出来ません。 ※タンデムパッセンジャー、タンデムマスタ、カメラマン3名が1組となって航空機から飛び降ります。 専用のカメラマンによる撮影のため、手カメでは出来ないダイナミックな映像の撮影が出来ます。(距離をとったり、いろいろな角度から撮影することが出来ます。)。また、カメラ装備によりビデオのみ、写真のみ、またその両方の撮影が可能です。ただし、撮影は飛行機から飛び降りて、パラシュートを開くまでの間と着地の撮影のみとなってしまいます。カメラマンはタンデムのパラシュートが開くまで撮影を行います。そして、タンデムのパラシュートが開いた後、カメラマンはパラシュートを開きます。 。カメラマンのパラシュートはタンデムよりも低い高度になる為、タンデムのパラシュートに近づいて撮影することは、とても難しくなってしまいます。その後、カメラマンはタンデムよりも早く地上着地して、後から降りてくるタンデムの着地の撮影を行います。
カメラマンによる撮影
タンデムマスターの手に固定されたカメラによる撮影(手カメ)
手カメと呼ばれるもので、カメラをしっかり固定できる専用の手袋を使用して、タンデムマスターの手にカメラを固定し、パッセンジャーを撮影しながらスカイダイビングを行います。この撮影は、タンデムマスタがカメラマンを兼ねるので、通常のタンデムと同じく2名1組で航空機から飛び降ります。手に付けているカメラの撮影の為、カメラとパッセンジャーの距離が取れず少し歪んだ画面になってしまいます。また、離れた所から全体を撮影することは出来ません。そして、撮影はビデオのみのとなってしまいます。ただ、専用のカメラマン付きの撮影と違い、 パラシュートを開いた後も撮影することが出来ます。落下中も、パラシュートを開いた後も、航空機を飛び出して着地するまで全ての撮影が可能となります。 また、エアーカメラマンによる撮影、タンデムマスタの手カメによる撮影、その2つの同時撮影も可能ですが、多くの映像が必要である場合を除きほとんど実施されません。
タンデムを撮影する時の留意事項
タンデムは2人(1組)のお腹と背中がくっ付いた状態で、2人が腹這の姿勢で空中を落下します。1人で落下するのと比べ、空気抵抗に対しての重量が多くなります。同じ空気抵抗で重量が増えるので落下の速度が速くなってしまいます。落下の速度が速いと、パラシュートを開く瞬間に人や機材に大きな負担が掛かります。この負担をかけない為に、タンデムはドローグシュートと言う速度調整用の小さなパラシュートを航空機から飛び出してからすぐに開きます。そして、このドローグシュートがあると一人で飛ぶ時と比べ落下中の移動がとてもやりにくくなります。この為、複数のタンデムが落下中に接近すると、ドローグシュートが、絡まる危険性が出てきます。また、パラシュートが開く前にお互いの安全距離分の移動が出来ない為、パラシュートを開いた直後にお互いのパラシュートが絡まる危険性も出てきます。これらの危険を避ける為に、航空機から飛び出す時間を 。調整して、タンデム同士落下中はある程度の距離をとるようにしています。この距離の為に一人のカメラマンで複数組のタンデムを撮影することは出来ません。

スカイダイビングの競技の撮影

スカイダイビングの競技のほとんどは、高いところ(空の上)で行われます。 その為、審査員(ジャッジ)がリアルタイムで競技を見る事は出来ません。そこで競技を撮影するカメラマンが一緒にスカイダイビングを行いながら演技を撮影し、その撮影した映像を審査員が見て審査を行います。 FAI(国際航空連盟 Federation Aeronautique Internationale)のルールではカメラマンもチームの一員として競技を行います。これは、カメラマンの技術力の違いでチームに不公平が生じたら競技にならないからです。 ※スカイダイビングの競技でカメラマンもチームの一員となるのはフォーメーションスカイダイビング・CRW・フリーフライ・スカイサーフィン・フリースタイルです。アキュラシーやキャノピーパイロッティングなどランディング時の競技は、地上の審査員により直接審査が行われます。また、スタイルという競技では地上から望遠鏡で撮影して審査をします。

撮影しながらスカイダイビングする場合の小道具

ウィングスーツ
ウィングスーツ
スカイダイビングのカメラマンはウイングスーツを良く使います。ウイングスーツとはムササビ見たいな布が腕から体側まで縫いこまれているジャンプスーツ(スカイダイビングをする時に着る服)です。その布をウイングと呼びますが、それをピンと張れば空位抵抗が大きくなり、落下速度の遅くすることが出来ます。逆にウイングを折りたたみ体を小さくすれば、空気抵抗が小さくなり落下速度を早くする事が出来ます。 このジャンプスーツを着ると落ちる速度が広い範囲で調整できるようになります。
ウイングスーツを着てスカイダイビングする時の注意
一般的にウイングが大きくなると落ちる速度の調整範囲が広くなります。ただ、大きなウイングは慣れが必要で、姿勢のコントロールも、少しやりにくくなります。また、スカイダイビングでパラシュートを開こうとする時、まず小さなパラシュート(パイロットシュート)を自分の手で引き出します。そして小さなパラシュートは風の力を利用して大きなメインのパラシュートを引き出します。小さなパラシュートは装備を背負った状態で、ちょうど自分のお尻の上の部分にしまわれています。パラシュートを開く時、自分のお尻の近くの、その小さなパラシュートの取っ手まで手を持って行き思いっきり引き出します。この操作をプルすると言うのですが、プルする時は自分の体を安定させなければいけません。プルする瞬間に体が安定しないと、パラシュートのバランスが崩れ、きれいにパラシュートが開かない時があるからです。ところで、スカイダイビングでプルする時の安定した姿勢とは、腹ばいの状態でお腹を出し手足を広げ、そして左右対称の状態です。その状態が崩れると、体は不安定になり、回りだしたり、変な振動が起きたり、時にはひっくり返ったりします。安定な状態を保ちつつ落下しているのですが、でここでパラシュートを開かせようと自分の右手を、お尻の近くまで持っていかなければなりません。対称性が崩れ、不安定な状態になります。この時、体を安定される為に、左手を頭の上に持って行きます。しかしウイングスーツを着ているとウイングが邪魔して左手を頭に持っていけなかったり、ウイングは変に風を受けて不安定な状態になりやすくなり注意が必要です。もう一つ、大きなウイングスーツの着用時、ウイングの固定の仕方やプルの仕方により、ウイングとパイロットシュートが絡まる危険性があり注意が必要です。ウイングスーツを着てスカイダイビングをするには、ある程度スカイダイビングの経験が必要です。 ※これは一人用の一般向けパラシュートの話です。2人用や、軍隊で使っているもの、スクールで使っているものとは、機構やその操作方法も異なります。
サイト
サイト
カメラ付きヘルメットを被って撮影するの場合、カメラは何処を中心に撮影しているのかあまり正確には判りません。思っている所から多少ずれて撮影してしまうことにもなりまねません。そして撮る方と撮られる方の距離が離れれば離れるほど、大きくずれてしまいます。ヘルメットにサイトが付いていると何処を中心に撮影しているのか、ある程度目安になります。サイトにもいくつか種類があります。中心に丸い印が付いている透明プラスチックのものもあれば、光の干渉を利用したニュートンリングサイトもあります。ニュートンリングサイトはとても高価ですが、それを使用すると、正確に何処を中心に撮影しているか判るようになります。 ニュートンリングは見る方向によりサイトの模様が変形して見えます。ただし、サイトに対して真正面から見た時は、その模様は変形しません。ヘルメットは、被り方により、角度や位置がずれてしまいます。ヘルメットにカメラが付いていると、そのヘルメットの被り方により微妙に撮影する方向が変わってしまいます。ただし、ニュートンリングサイトサイト付きヘルメットの場合、そのサイトの模様が歪まないようにヘルメットを被れば、常に頭に対して同じ位置と角度と保ちます。あらかじめ、カメラの撮影の中心とサイトの中心が合うようにサイトの位置や方向を調整済ませておきます。ヘルメットを被る時、ニュートンリングサイトの模様が歪まないように被ります。すると、そのサイトの中心がカメラの撮影の中心となります。しかしサイトをヘルメットに取り付けると、視界の一部が塞がり見えにくくなます。注意が必要です。 ※ウイングスーツやサイトは撮影スカイダイビングに必ず必要なものでは無く、必要に応じてエアカメラマンがチョイスするものです。
チンカップ
チンカップ
チンカップはヘルメットをしっかり頭に固定するためにあります。カメラ付きヘルメットは普通のヘルメットに比べ重たく、重量バランスもズレてしまいます。チンカップが無いと、落下中の強い風でヘルメットの位置がズレてしまったり、脱げてしまったりします。ヘルメットに重たいカメラをつける時はチンカップは必需品となります。
カムアイ
カムアイ
ビデオカメラなどをヘルメットなどに付けて撮影する場合、今、撮影中なのか撮影スタンバイ中なのか撮影者は確認できません。この商品はビデオカメラのLANK端子やAVリモート端子に取り付けそのケーブルの先端が撮影中だと赤く光り、撮影スタンバイ中だと青く光ります。ケーブルの先端をヘルメットを被った状態で見えやすい位置に取り付けると、撮影者はヘルメット被ったままカメラの状態を把握することができます。 ※カムアイは商品名です。違う名前で同性能の商品が違うメーカーからも発売されています。
オーディブルアルチメーター
オーディブルアルチメーター
音の鳴る高度計の事をオーディブルアルチメーターと言います。高度を音で知らせてくれます。あらかじめ設定した高度になると、とても大きな音が鳴ります。 スカイダイビングは高度計を見てパラシュートを開くタイミングを知ります。しかし撮影しながらスカイダイビングをしている場合、高度計を見れない場合があります。撮影中に高度計を見てしまうと、常に被写体をカメラの中心に収めることが出来なくなるからです。そんな時は必ずオーディブルアルチメーターをヘルメットの耳の位置にセットしてスカイダイビングを行います。 ※これは撮影を専門に行うスカイダイビングに限った事です。オーディブルアルチメーターを装着すれば、高度計を見なくて良いと言う訳ではありません。通常のスカイダイビングは必ず目で高度計を確認します。あくまでもオーディブルアルチメーターは高度計の補助的なアイテムです。
レンズ
レンズ
一般的に売られているビデオカメラは画角が狭く、そのままで撮影すると、狭い範囲しか写せません。スカイダイビングではビデオカメラにワイドコンバージョンレンズを着けて撮影します。

安全にスカイダイビングの撮影をするために

冒頭にも書きましたが、カメラジャンプはヘルメットにカメラを取り付けて撮影を行います。しかし、もともとスカイダイビングのヘルメットは頭を保護する為のものです。そのヘルメットに、ある意味、余計な物~カメラとかサイトとか~をつけてスカイダイビングをする事は、多少なりともリスク(危険)が増える事になります。例えば、パラシュートやその一部がパラシュートが開く瞬間にヘルメットのカメラやサイトに引っ掛かったら?例えば、着地する時に誤って転んで、ヘルメットに付いているカメラの為に、より大きな衝撃を頭に受けてしまったら?カメラジャンプをするスカイダイバーはこのようなリスクを正しく理解してスカイダイビングを行う必要があります。
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