To fly by yourself

地上講習テキスト

パラシュート(キャノピー)コントロール

パラシュートがオープンして、ドロップゾーン(DZ)へランディング(着地)するにはパラシュートをコントロールする必要があります。パラシュートオープン後空中から現在自分が居る地点を知っていなければパラシュートをコントロールする事になりません。自分の居る地点を知るには、空中から地上を垂直に見ますが、地上を垂直に見ることは簡単なようで大変難しい事だと理解してください。また、大気の状態は一瞬たりとも同じ状況はないと理解してください。 パラシュートハーネスに吊られた状態で足の力を抜き、つま先を鉄砲の照準を合わせるように見通して地上を見て、自分が今居る地上の位置を確認します。これが、地上の位置を見通す基本的な目の使い方です。 この様にして地上を見ることで、自分の傘がどのように進んでいるのか後退しているのか、自分が今どの位置にいるのかを確認できるのですが、1分間に1回一瞬見るぐらいの注意・関心が必要です。距離を把握したくても自分の居る位置が解らなければ、今後風の強い時または夜間のスカイダイビングなど応用を必要とされる時に冷静な判断が出来ません。 現在のスクエアパラシュートはコントロールがしやすく、性能のよいものが多くなりました。そして、決められた場所(DZ)にランディングすることは最早常識です。 基本的なことさえ理解すれば、初めてのスカイダイビングでも難しいものではありません。しかし、何の計画も無いことを何回繰り返しても、パラシュートコントロールは身に付きません。 また、スチューデントはスカイダイビングをする前に、DZをよく見ておくことと、空撮された写真を見て、周辺の地形を知っておくことが大切です。ここでは、パラシュートコントロールの基本を学びます。 パラシュートがオープンしたらDZを確認し、いつでも毎回ターゲットの風上約 300mの地点に向かい、ウィンドラインから外れないようにその地点を中心にして半径100m以内で1,000ftまで高度処理を行う。 ※高度処理:目標地点へ到達する為に、距離を調整しながら高度を下げること。
キャノピーコントロール上から見た図
キャノピーコントロール横から見た図
  • ダウンウィンド・レッグ(Down Wind Leg)
    高度約 1,000ftでDZの風上200m~300mの地点からターゲットの横約50mを追い風(ダウンウィンド)で通過し、そのまま約50~100m以内なら風下に下がってもよい。
  • ベース・レッグ(Base Leg)
    次に90°ターンして、風(ウィンドライン)を横切り、DZの風下へ向かう。
  • ファイナル・アプローチ(Final Approach)
    DZの風下へ到達したら、90°ターンしてパラシュートをDZに向ける。
    (パラシュートは風上を向いている筈である。) 
ファイナル・アプローチに入ったら
  • フルグライドでそのまま進めば、どこに着地するか見当をつける。
  • 予想着地点の前後に障害物のないことを確認する。
  • ターゲット(着地目標)を大きくオーバーする様であれば、進路に対して45°の範囲内でS字ターンをし、高度処理をする。
    (S字ターンは地上10m以下ではしない)
ランディング
  • 足とひざは閉じる。(ひざをリラックスさせ、足を前に出したり、突っ張ったりしない)
  • いつでもP.L.F.できる体勢をとっておく。
  • トグルはフルグライド。(十分にスピードをつける)
手は上に挙げ、スピードに恐がらない
  • 目は衝突する所を集中してみるようにする。
  • 衝突する直前手前で両方のトグルを引きフレアをかける。
★風が強い時(4m/sec~6m/sec)のパラシュートコントロール オープン後、パラシュートがどの位風の影響を受けているか(追い風、向かい風でどの位流されるか)を早く知ろうとする。 DZの風下へ回り込みすぎてショート(DZにとどかないこと)しない為に、ダウンウィンド・レッグを短くし、早めにファイナル・アプローチに入る。強い向かい風の時は、ハープブレーキやS字ターンで高度処理が仕易いので、オーバー気味にファイナル・アプローチに入るとよい。風が強い時はランディングまで風に正対する。キャノピーコントロールは、非常に難しいことなので、おーバーコントロールにならないように考えていなければならない。 ※飛行機に乗る前にウィンドソックで地上風を確かめておくことも大切です。
【 注 意 】
  • DZが近くなるにつれ、DZ上空は混雑する。回りをよく見て他のパラシュートの動きに注意する。
  • ランディング間近になって、パラシュートを風上に向けようとして、ローターン(地上20m以下)するよりは、フォロー(追い風)でランディングした方がよい。
  • 1,000ft以下では360°ターンはしない。(DZを見失う行為)
  • 高度計は1,000ft以下の目盛は正確でない為、目測で判断する。
  • ハード・ランディングであればP.L.F.をする。
  • DZ(ターゲット)の真上は通らない。
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